2009年12月21日

PROTOTYPE ARCHIVE Vol.3 BMX RACER RF-2



RF-2は、栗瀬 裕太によるRF-1でのテストの結果を受け、そのフィードバックを元に開発されたQUAMENのクロモリレーサーフレーム第二弾です。

このフレームの特徴は、まず栗瀬 裕太シグネチャーカラーであるロイヤルブルーを身にまとっている事です。この特別なカラーリングは彼の愛用するLoCalにおいても採用されており、精悍な印象を受けるフィニッシュとなっています。
そして、さらに特徴的なのはシートチューブがBBよりも後ろにオフセットしてセットされている事です。これが何を意味するか、と言うと、BBからリアアクスルの長さを変更することなく リア三角の三辺の長さを短くする事が可能になり、剛性を犠牲にすることなくチュービングを軽量化させることが可能になりました。

RF-2は八月に行われたJBMXFスーパーシリーズ第三戦でデビューしました。
大会直前に日本に到着したフレームを会場に持参。大会前日の公式練習日当日に会場においてメカニックの光武氏に組上げて貰うという慌しいデビューでした。

以下、RF-2のリザルトです。

23/08/2009 JBMXFスーパーシリーズ第3戦 ひたち海浜公園BMXトラック 決勝6位

30/08/2009 JBMXFスーパーシリーズ第4戦 土師ダムBMXトラック クラッシュの為DNQ




(AKABANE VISION)


栗瀬選手にRF-2について聞いてみました。

QUAMEN BIKES JAPAN (以下QBJ)
「はじめに、最初のプロトタイプだったRF-1から、どんな事を改善して欲しいとリクエストしたの?」

栗瀬 裕太 (以下YUTA)
「乗り味を普段からダートジャンプなどで使っているLoCalに近づけて欲しいって言う事と、さらなる軽量化ですね。」

さて、このようなリクエストに対してQUAMEN BIKES本社開発サイドがどのような回答を用意したのでしょうか。

まず、軽量化に対するリクエストに対する回答です。
軽量化はレースの世界において最も重要なファクターのひとつです。
しかし、あまりに軽量化のみを突き詰めすぎると十分な剛性を確保する事が出来なくなってしまい危険ですらある可能性があります。
今回RF-2に施した対策は、ひとつひとつの部品の軽量化を手作業の機械加工で行う事により、必要な剛性を見極めながら極限まで重量を削ぎ落とす事でした。
また、このような地道な作業によって蓄積されたノウハウは、レースバイク以外のプロダクションモデルにも反映されます。

また、乗り味をLoCalに近づけて欲しいという要望に対しては、
スタートダッシュでのトラクションの掛かりはRF-1で達成されているので、LoCalのような運動性能を加味して欲しい、というように理解され対策が施されました。
まず、RF-1とLoCalおける大きな違いはホイールベースと全体の剛性バランスです。RF-1のトラクションを生かしつつ運動性を向上させる為にホイールベースをLoCalと同じ数値に設定し、リア三角の剛性向上及び前のスペースを稼ぐ為に前述したようなシートポストをオフセットさせる手法を採用し、前クリアランスとホイールベースが適正な位置関係を保てるよう十分に吟味し、数値が決定されました。

そのようにして製作されたRF-2を栗瀬 裕太はどのように受け止めたのでしょうか?

QBJ
「ではRF-2が到着して、組み上がったのを見てどんな風に感じたのかな?」
YUTA
「RF-1に比べて、凄くシャープな印象でしたね。それにコンパクトにも見えたかな。」

QBJ
「このフレームは裕太選手のオーダーでロイヤルブルーのシグネチャーカラーに塗られたんだけど、それを見てどうだった?」
YUTA
「まさに希望通り(笑)」

QBJ
「では、実際に走らせてみてRF-1に比べて進化した部分や感想を教えてくれる?」
YUTA
「RF-1に比べてストレートの出だしが凄く伸びるのでビックリしました。また、ロールやスピードマニュアルなどのテクニックが格段にやり易くなりましたね。」

しかし、完璧主義の栗瀬 裕太。
妥協は見せません。さらによりよい製品創りのためにリクエストが出ました。

QBJ
「さらに進化させる為に要望した事はある?」
YUTA
「RF-2は僕にも若干コンパクト過ぎるきらいがあったので、その部分を改善と言うか適正値化してもらいたいっていう部分と、さらなる軽量化と加速力のアップをオーダーしました。」

そうした要望を元に製作されたRF-3.
栗瀬 裕太の手によってさらなるテスト中です!